それでも、深く、息を吸い込まざる得ない。
全てを肯定され、その後、全てを否定され。
全てを否定され、その後、全てを肯定され。
それが、音楽だって、結論した。気がした。
気がした。だけなのだけど。
それでも、僕ら、深く、息を吸い込まざる得ない。
触れることが怖くて、知ることも怖くて、
近寄らないことを心に誓いながらも、
いつか、俺、愛しき人と、守るべき人の、
その二人の性行為を直視しても勃起できるように。
それまで、僕、深く、息を吸い込まざる得ない。
この土地に、人に、音に、景色に、
飽きられ、呆れられる前に、
僕なんかでも生き残ることができる場所を、
早いところ、探せるように。
寄り添うことが、できるように。
そして、僕は、深く、息を吸い込まざる得ない。
だから、僕ら、深く、息を吸い込まざる得ない。
深く、息を、吸い込まざる、得ない。
生きていたい。