昨夜
よく眠った、その目をゆっくり開いたところ、目の前には壮大な青。その遠くに見えるのは、煎茶をひっくり返したようや巨大な鮮緑の集合体。
ここがどこなのかは皆目検討もつかない。
腐り切った脳神経にぶら下がる死した心、それにただ付属されただけの怠惰な四肢たち。
何も作用しておらず連携もされてないみたい。
体の外部の傷はない、内部も全く傷んでいない。けど、なんでだろうか、喉に何かが突っ掛かりがあるのだろうか。声が出せない。どれだけ頑張ってもうゔぅと言う声すら出ることなく、誰が聞いても不快な想いに誘うような、ため息混じりの紫色の息が見えそうな、出てはすぐ消えた吐息。のみ。
どんどんとあたまが現実に順応してきて
自分がただ1人、こんなこところにいて
はたまた、俺はここまでどうやってきたんだ。という途轍もない不安と寂しさが押し寄せた。と同時に全ての体の神経が、この現状を強く拒絶していた。 地面に飲み込まれるように体からどんどん力が失われていく。その浅緑に膝を突いた途端、男は気絶するようにまた眠ってしまったのである。
「仁」「仁」と何度も繰り返す声が聞こえる。そこそこ大きい手のひらが、僕の右肩を早い頻度、大きめの力により、気の抜けた最早俺の体ではない物体を大きく揺らす、
今すぐ、ここから去れ、ジャンキー!