島崎清大「ただ、生活。」

その日暮らしGt.Vo.島崎清大の日記。的な。文学かぶれ。

フィクション

泣いてしまったんじゃなくて、泣いたら何か変わるかと思って、無理矢理、泣いてみただけ。

元々、そんな自分には興ざめしていたし、冷静過ぎたが故、感情的になってしまった心は、より冷静さを取り戻してしまって、一気に、無、というか、どうでもよくなっただけ。


動物が鳴くように、ただ泣いてみただけ。

そしたら、抱き締めてくれるかな、とか、愛や優しさを囁いてもらえるかなとか打算的に考えてみたけど、相手側も、多分、この手法使った事があるのでしょう。自分ではない、その存在の目は死んで、体は怠そうに垂れ下がり、掴む腕の力も弱く、嘘っぽい音色の声で、大丈夫かと問われるだけ。


そんなことを月曜の朝から繰り返していると、また邪気が迫ってきて、玄関に座り込んで、今のこの状況よりも、今日から週末までの労働への嫌気の方が優ってきた。

おっと、ここらで色々と混ざってきた事に気が付いたので、今日は晴れてるから自転車には乗らず歩いて郵便局まで行くよ。と誰に聞こえるわけでもなく、心を整理する為、曇り空の下で誰の為でもない嘘をついた。


ここまで全部、独り言。主語とかなければ、ただの独り言。相手が居なければ話しかけられない。現実で起こっている、今、確かに持ち合わせている僕の感情や感傷、思考や思想が、誰にも伝なければフィクションになってしまう。


そんな悲しい事があるか。片思いの失恋より悲しい。自分の無力さ故、想像を遥かに超えて、素敵な物が現実に出来上がっていく。これは最早、恐怖以外の何物でなくて、そう勿論、芸術でもなんでもない。お化けの学校にゃ試験も何にもない。


二年半程、飼ってるハムスターを、スナック菓子を頬張りながら眺めていたら、コイツになりたいなと、今日初めて、思った。誰かが餌をくれるのを待ち、好きな時に眠り、喉が渇いたら水を飲み、夜中になったら滑車の中だけを走り回る。こいつになりたい。とそう考えた瞬間に、その思考はただの死に直結する。自殺ではなく緩やかな自死に至るという不純な由々しき事態に気が付いた。死にたくないから殺してくれ。こ、こ、こんな事を考えるのは久々のテンションであって、滅相も無い。こんなのは全て不眠のせいってことにして聞き流してくれ。あ、でも、僕だけの感情で、これ誰のものでもないから、そう、フィクションですけど。