島崎清大「ただ、生活。」

その日暮らしGt.Vo.島崎清大の日記。的な。文学かぶれ。

たられば

 

WALK INN FES ! 2021に添えて。

 

未曾有の疫病が蔓延する街、

乗り越えるための策と手段、

知能、そして、思想。

長すぎた冬が終わろうとしていた。

 

一筋の光を皆、見て見ぬふりしながら、

空気の揺らぎに身を任せ、

憂鬱な日々を送る。

 

でも俺は。やっぱり皆と。

そんな言葉をアテに、毎晩、

発泡酒で溜飲を飲み込む。

 

でもやっぱり店で飲む生ビールが美味いよね。

でもさ、やっぱりさ。

家で1人溜息混じりより、

ガヤガヤ、と、もくもく。

みんなと飲む酒が美味いよな。

 

独り、暗闇。舌打ちと溜め息の連続。

そういや、人に会ってないな。

あいつ、元気かな。あぁ、あいつ辞めたんだ。

そうだよな。俺も自分のことばかりで、

あいつのこと思い出す余裕もなかったな。

まぁ仕方ねえか。そりゃ暗闇だと光が明るく見えるわな。絶景なんて言葉、よく歌えたもんだ。泣けなくなって、情けないな。

 

天邪鬼。俺。

みんなが群れて元気だと、元気なくすし、

みんなが孤独で落ち込んでると、元気だし。

 

できないから、馬鹿なりに、

やれることを模索する日々。

自分の才能の無さを痛感する日々。困惑。

人に当たることも許されない中、気付けば。

 

WALK INN FES!2021

僕らの街は、僕らで創る。

ソーシャルディスタンスを美しくデザインする。

フェスでミーティングをしよう。

 

その言葉たちをモットーに、

信念を念頭に。そして、希望に。

国分、下井海岸、キャンプ場。

 

鹿児島市内からは少し離れていて、

先輩のロックの歴史語りながら、

到着したその場所は、瞬間、

やたらと広く感じたものの、

ディスタンス保ちながら、

優しく温かい距離感を保持し、

ここまで青くなるもんかね、空と海。

小さな出店、走り回る子供、

よく見る顔や、あまり見ない顔、

「世代交代」「背負う意義」

「ラフ」「音楽よりキャンプな奴」

様々な意思が、国分の内海を彩り、

砂漠のような気候変化も人の温度を高め、

ゲストに負けじと地元バンドも、

ローカルの意地を叩きつける。と思いきや、

目を見て優しく説得に臨むような、

最高のライブ、そのバンドのバトンを渡していく。

 

「なるほどなあ。」と、

「まぁ仕方ないか。」

を繰り返し、10日、日中。

 

俺ら、

その日暮らし、しっかりと

勝手に受け取ったバトンを、

俺たちなりに昇華させてみて、

一旦大きくしながら、

次の奴に繋ぐ。繋がった瞬間、

他人の器で、自分のバトンの

本当の大きさと意味あいを知る。

 

このリレーマラソンは、

いつまでも終わらせないよ。と、

国分の沈む夕日に約束したところで、

先輩たちの堂々たる背中と、その握力に、

気付かされながら、煙草を深く吸い込み、流れた何かの塩っけと潮風で、メガハイボールをごくり流し込む。なんだか余計に涙が流れてくる。

 

恥の多い生涯を送ってきました。

なんて言葉もギャグになってしまう世の中と、

自分の愚かさを棚に上げながら、

人に愛を配ろうなんて、川魚が地上を四肢で歩く、ぐらい馬鹿な夢なんだけど、

僕が過ごした今年のフェス。

 

まるで、全てを許されてるような、

あたかも、心より愛されてるような、

たられば、そんな雰囲気、その実感。

 

僕、素直に。生きててよかった。

幸せだな。と思えた。

これが大それた話でも、勝ち誇ってるわけでもなく、ただ、僕が、偶々、その場に存在して、

勝手に感じ取ったわけで、

僕が傷つけてきた人たちや、

その場にあらゆる事情で来れなかった人たち

それらに何かが勝ることなんて一切もなく。

 

ただ、俺、なんとなく実感しただけ。

そこへのカウンターカルチャーな人々の気持ちや思想、痛いほど、わかるし。元々そっち側だし。

 

でも、俺はいつだって、

腑に落ちる部分を探していたし、

人に肯定されたかったから。

 

今までメンバー死ぬほど、辞めたけど、

付き合ってる彼女が6歳の時からバンドしてても、いつだって不安だし、こんなに僕を好きな優しいメンバーとバンドを続けても、矢鱈と不満募るし。でも、まぁそんなもんか。納得できた時点で、俺らなんて、きっと存在しないもんな。

 

あぁあいつに、この話したかったや、辞める前に。

 

とか思ったんで、ブログに纏めました。

 

正直、自分がどれほどの力になれたかはわからないけれど、僕らの街は、僕らの周りは、創られ始めてると思うので、僕は僕の、僕らは僕らの、居場所を大きくしていくよ。

 

虚しくなりながら、

苛立ちながら、

愛される不安に恐れながら。

喜びながら、愛を囁きながら、

皮肉混じりで大きな声を上げながら。

 

たったこの一瞬でも、

全ての人に僕の歌をしかと伝えようと

僕自身に思わせてくれたこと。

鹿児島を再度、愛せたこと。

カウンターカルチャーの皮肉を強く抱きしめたくなったこと。

海と人間の素晴らしさを知ったこと。

 

WALK INN FES!スタッフ、mojo芸術展、

SAKKAKU、先輩、知らん後輩、尊敬してくれる奴、ですです隊の皆様、お客さま、メンバー、安田映像研究所に、関わってくださった方々に、心よりの愛と、リスペクトを。

 

バンドマン、やっぱりかっこいいよ。

憎しみと悔しさ火種に、

より愛燃やしていこう。自分たちで。

それは革命となる日が来るよ。