無我
昨日、近づいた気がした。分かった気がした。
身体と竿の境界が次第に失われていき、
そこに漠然と存在しているかのようで、
それの根源は無。きっと、無。だった。
その無が繋がっていき、確固とした、
より強大な有になり、まだ先を見越す感覚。
意外と冷静だったりする。
あの瞬間は久しぶりだった。
恐らく、脳にも身体にも、
なかなかに覚えさせることは出来ない。
しかし、その狭間の、繊細かつ不安定な、
その感覚に、イメージしておくことはできる。
アレだよな、伝説とか最強って。
音楽だったし、僕達はバンドだった。
完全なる、その日暮らしだった。嬉しかった。
先輩達の音楽を沢山、聴いてきた。
ライブも沢山、観てきた。話もしてきた。
昨日、なんか、ふと思った。
今の自分がどこに存在しているのかは別の話として、
ベンジャミンバトン的メンタル。
人はきっと、どんなことをも越えていくと、
純粋。に戻っていくんじゃないかな。と思えた。
だから、いつも何かに恥ずかしい自分が、
昨日だけは、恥ずかしくなかった。
少し肩の力も抜けて、自信も持てた。
幼児返り、なんぼのもんじゃい。とか思えた。
かっこよすぎる人を見ると、ずっこいな。
とか思っちゃう自分、少しダサいけど、
笑って許してくれるところが、またかっこいい。
楽になっていく。傍ら、辛くなっていく。
一生、続いていい。続くなら、それでいい。
14日に、また何か気付ける。だろう。
生きてる。温度を確かに持って生きてる。