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正直、薄々、分かっている。
俺はきっと何者でもなくて、
何者にもなれないということを。
蛙の子は蛙、その蛙大海を知らず。
そのまま海に投げ出されてしまって、
何処へも行けぬまま、気付いたら沼の中。
傷つけて来た人の顔ばかりが思い出されて、
借りた金の額、指折り、とっくに指は足りない。
指差して笑っていた奴の顔ばかり思い出されて、
夕暮れより早く沈みゆく心。
悲しい時に悲しい歌を聴くのがいいよね。
そんな中途半端会話と惰性の愛で、とか言っちゃって、
俺もう幾つなんだよ。
ロックスターの次は文豪で、文豪の先は何だ。
綺麗なお嫁さんの次は、毎日大変な専業主婦。
その次は何だよ。
エモいとか青いとか、ロックとかパンクとか、
馬鹿みたいな日本語ばかりに侵食されちゃって、
行き当たった場所で、生き詰まり、行き止まり。
でも、人の期待ぐらいは、覚えていたいしね。
そんな感じで、また次の日へ。